免疫について

蜂っ子を服用すると、「風邪を引きにくくなった」「風邪を引いてもひどくならなくなった 「元気が出てきた」など蜂の子が免疫に関わる可能性が示唆されております。 これから何回かに分けてシリーズで免疫に関するお話をしていきましょう。
免疫とは、細菌、ウイルスなどの外敵やガン細胞を排除し、体を守るための仕組みです。 一方、生体にとって不利となる喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、 慢性関節リウマチや慢性甲状腺炎(橋本病)などの自己免疫性疾患も、免疫過剰状態として免疫が関与しています。
私たちの体を病気から守ってくれている細胞が白血球です。 白血球には、マクロファージのほかに、進化によって生じた顆粒球とリンパ球があります。 顆粒球は主に細菌処理を受け持ち、 リンパ球は主に抗体を利用した免疫反応によって微少抗原(ウイルスなど)の処理を受け持っております。

免疫反応の特徴

生体防御反応は、マクロファージが基本となり、貧食系は顆粒球が、免疫系はリンパ球がつかさどります。 リンパ球には、2つの系統があり、ひとつが、 系統発生学的には古くから存在するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)と肝臓などで作られる胸腺外分化T細胞、 胸腺で作られる通常T細胞(これらをNK/T細胞系列と言います)。 もうひとつが、骨髄で作られる通常B細胞であります。

顆粒球とリンパ球

ヒトの成人末梢血では、マクロファージ(単球)‥顆粒球‥リンパ球=5%‥60%‥35%となっております。 リンパ球の比率は、35%を中心にして30%〜45%と変動しますが、 20%〜30%だと、体調が優れず、何らかの病気(顆粒球増多による組織障害関連の病気である胃潰瘍、発ガンなど)が 発症します。45%以上のヒトは、肥満、運動不足、排気ガス吸入などがないか注意する必要があります。

顆粒球とリンパ球は自律神経の調節を受ける

顆粒球とリンパ球は、自律神経系の支配を受けて分布(比率)が調節されています。 交感神経と副交感神経からなる自律神経系のバランスが一方に偏りすぎると、病気が発症します。 私たちの役に立つべき防御システムが、逆に病気を引き起こす力を持っていることを理解する必要があります。
顆粒球は、交感神経支配を受け、リンパ球は、副交感神経支配を受けております。 これは、行動にあわせて合目的に防御系を準備しておくことが必要であるものと考えられます。 すなわち食物を取る行動などの活発な体調(交感神経優位)のときには、細菌感染に備えて顆粒球を準備します。 食べている時や休息時(副交感神経優位の時)には、 消化とともに生じる異種タンパク質の断片が体に侵入してくるのに備えて、リンパ球を準備するのでしょう。
地球の自転や公転によって私たちの体調もこれに伴って変化しています。 夏や夜は、ゆったりした体調から、副交感神経優位であり、逆に冬や昼は交感神経優位です。 このような一日の推移や季節で生じる自律神経系の変化は、白血球の変化を生み出します。) 夏や夜は、リンパ球増多、冬や昼は、顆粒球増多となります。春は交感神経から副交感神経へ移行するので、 顆粒球からリンパ球側への移行の時期に当たります。この時期にアレルギー疾患が多くなるのは、 リンパ球の過剰反応を引き起こすからです。気圧の変化についても自律神経系が影響を受けます。 天候が高気圧になると、交感神経が優位となり、顆粒球が増加します。 低気圧のときには副交感神経優位からリンパ球が増加し、体が重くなったり、 喘息の発作やリウマチ患者の関節痛を生み出すことになります。

NK細胞はガン細胞を殺す

NK細胞は、1975年に報告された、健康なヒトの末梢血中に見いだされたガン細胞を殺す能力があるリンパ球です。 その後ウイルス感染細胞も殺すことがわかりました。 NK細胞の細胞質内の顆粒には、パーフォリンなどの細胞殺傷タンパク質が入っていて、 これをガン細胞にふりかけて殺すのです。NK細胞のキラー活性は、 リラックスした副交感神経優位の体調で最大となります。笑いや快適な気分がNK活性を上昇させます。 逆にストレスが、NK活性を低下させます。
心の持ち方や生活習慣など工夫次第でNK活性低下を防いだり、 NK活性を上昇させることができることを理解していただき、 より健康なライフスタイルを目指していきましょう。

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